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小市慢太郎のブログ

by mop-koichi
 
続いた。
「みんなに会うのはいいが、一体、どこに向かえば会えるかのう。まぁ、考えてもしかたねぇ。とりあえず、出掛けてみるべ。」

そう、たんすどんは、心のなかでつぶやきながら、とりあえず、気の向くまま歩いてみることにしたそうな。

「まぁ、そのうち、なんとかなるべ。それにしても、こう、重くては、あるくのもたいへんじゃわい。ふー」

たんすどんはその重い体を、前後左右に揺さぶりながら歩きだしたました。

「ふん、さすがにくたびれるのぅ。」

たんすどんの、呑気さとは、裏腹に、道行く人は大騒ぎです。

「おぃみろ、でっかいたんすがあるいとるぞ。まぁ、不思議なこともあるもんじゃ。」

「わしは、長いこと生きとるが、たんすが歩いとるのを見たのは初めてじゃ。長生きはしてみるもんじゃのぅ」

「わーい!たんすどんが、歩いとるぞ。みんな、こっちにきてみろや。」

みな、大騒ぎ。
当のたんすどんは、そんなことお構いなしです。

「人はみな、おもしろいのぅ。思うたことを、それぞれみな、口にしていきよるわい。」

あっという間に、たんすどんの周りには、人が沢山。そのなかの一人が、たんすどんに、話し掛けました。
「やい、たんすやい。おまえさん、そんなでっかい体引きずってどこに行こうてんだぃ。」

たんすどんは答えました。
「実はおら、今までのご主人皆にあって、この、閉まっちょる引き出しを開けてもらいたいんじゃ。体が重くてかなわんのじゃ。」

「そりゃ、可愛そうじゃの。ちょっと、待っちょれや。わし、その辺り回って、聞いてきてやるで。」

「そりゃたすかるのぅ。ちょうど、疲れたとおもっちょったとこじゃ。」

「任しとけ!じき、ご主人を見つけてきてやる。」

そういって、たんすどんに、話し掛けた男は駆けていきました。

つづくのか?
by mop-koichi | 2006-07-24 03:33
<< 現場の待ち時間 たんすどん。 >>


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